「入学から卒業までの最短14日間ってどんなスケジュールになるんだろう?」と気になる人も多いのではないでしょうか?
通学で何ヶ月もかけて習得する教習課程がたった14日間で修了するなんて、「ほとんど休みなく予定が詰め込まれているのでは…?」と不安になるかもしれません。
そこでこの記事では、入校から卒業までのスケジュールと、それぞれの日でどんな事をするのかを分かりやすく説明していきます。
スケジュールの詳細は教習所ごとに変わるので一律ではありませんが、おおよその流れがどういうものかが掴めますよ。
【入校1日目】集合~先行学科

ほとんどの教習所では、入校初日は以下のような流れになります。

教習所到着~昼食
ほとんどの教習所では、入校生の集合時間を公共交通機関での移動時間も考慮してお昼頃に設定している所が多いです。
教習所に直接集合する所と、最寄り駅などに集合して送迎バスで教習所に向かう所があります。
集合場所と集合時間を間違えないようしっかりと確認し、集合時間の15分前には到着できるよう余裕を持って行動しましょう。
教習所に到着後は、昼食の時間が設けられている事が多いです。
宿舎や教習所内の食堂で食べる際には、隣り合った人と仲良くなるチャンスです。
この機会に積極的に声をかけて気の合う人が見つかれば、以降の合宿生活がより一層楽しくなりますよ。
入校説明・入校手続き
入校時に必要な書類を提出したり、学科教習や技能教習のスケジュールやどのように行われるか、宿泊施設のルールや注意事項など合宿生活に必要な説明を受けます。
入校手続きに必要な書類は、必要な時にサッと取り出せるようバッグを開けてすぐ取り出せる所に入れておくなど、荷造りの際には工夫しておくと良いでしょう。
その他、各教習の時間割の説明や、教習所内で使われる教習原簿や仮免許証交付の際の証明写真撮影もこのタイミングになる事が多いです。
適性検査
適性検査とは、視力・色彩判別能力・聴力などの「運転能力検査」と、運転操作の速さや正確性・癖・性格などを調べる「運転適性検査」の2つがあります。
運転能力検査は、車の安全運転に差し支えない身体能力があるかを判断するためのもので、検査の結果によっては基準に達していないと教習を受けられません。
- 視力測定
-
普通一種の場合は、片眼でそれぞれ0.3以上かつ、両眼0.7以上の視力がある。
一眼0.3以下の場合は他眼視野が左右150度以上で、0.7以上の視力が必要。
- 色彩判別能力検査
-
信号機や標識の赤・青・黄を判別できるかどうかを調べるための検査。
- 聴力測定
-
両耳の聴力が、10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること(補聴器などの使用は可能)
特に視力検査では気を付けておきたいのがコンタクトレンズや眼鏡。
度が合わない物でも日常生活ではあまり困らないからとそのまま持って行ってしまい、適性検査で引っ掛かり入校できなかった…とならないように注意しておきましょう。
不安な人は合宿免許に申し込んだらできるだけ早いうちに眼鏡店や眼科で度が合っているか調べてもらい、もし合わない物を使っているようなら自分に合う物に変えるようにしておきましょう。
もう一つの運転適性検査は自分が運転する時の特徴やクセ、性格がどんなタイプかを調べるための検査です。
警察庁方式K型とOD式安全テストの2種類あり、運転する時の動作の正確さや判断力を測定したり、質問に「はい」「いいえ」で答える心理分析テストなどを行います。
こちらは検査と言ってもあくまでもその人その人の運転時の傾向を調べるためのもので、検査結果によって入校ができなくなるようなことはありません。
先行学科
入校説明と適性検査が終わったら、さっそく教習が始まります。
その1番最初に受講するのがこの「先行学科(学科1)」。
この教習が終わらないと、以降の学科教習や技能教習に進めないので、全国すべての教習所で必ず最初に行われる教習です。
内容は、交通社会人としてのモラルや責任、交通法令の遵守など「運転手の心得」について学びます。
【入校1日目~6日目】第一段階

合宿免許は全体的にタイトなスケジュールになっているため、入校説明・適性検査・先行学科が終わったら終了ではなく、続けて教習が始まる場合がほとんど。
「入校日は授業はないだろう」と油断せずに運転に適した服装や靴で教習所に向かいましょう。運転に適した服装についての記事はこちら。

第一段階では、
- 学科教習 10時限
- 技能教習 12時限(MT車では15時限)
この時間数を6日目までに修了します。
技能教習は1日2時限までと決められているため第一段階では比較的空き時間が多い傾向にありますが、7日目には試験が待っているので自習は欠かせません。
ちなみに、学科・技能共通で1時限=50分となっています。
第一段階での技能教習は、教習所内の練習コースを使って基本的な運転操作を学んでいきます。
助手席には教官が乗り、技術指導や注意、危険な場面では助手席についている補助ブレーキを使用して修正してくれます。
また、必須科目ではないものの無線を使った「無線教習」を行う場合もあります。
オンデマンド学科教習の導入
オンデマンド学科教習とは、インターネットを利用してパソコンやスマホ、タブレットなどの端末から学科教習を受けるサービスの事。
対面式の学科教習もありますが、最近ではオンデマンド学科教習を取り入れる教習所も増えています。
リアルタイムの授業を行うライブ配信とあらかじめ撮影していた動画の録画配信の2種類があり、インターネットにアクセスができれば学科教習が受けられます。
画面を注視していないと判定されると最初から視聴し直しとなるデメリットがありますが、好きな時間に進められるため合宿免許では「空き時間がたくさん作れて観光を楽しめた!」という口コミも多いですよ。
効果測定
第一段階の学科教習10時限が全て終わると、「効果測定」という仮免許試験前の模擬テストが行われます。
第一段階の効果測定は、〇×形式の50問を30分ほどで回答するテスト。
100点中90点以上が合格ライン(教習所によっては第一段階の効果測定は50点中45点以上)となっています。
みきわめ
第一段階の技能教習の最後にあるのが「みきわめ」です。
みきわめは、簡単にいうと第一段階で習ったことがきちんとできているか?次の段階に進んで問題ないか?をチェックし判断するためのもので、あくまでも教習の一部で試験ではありません。
とはいえ、運転技術の習得度や熟練度によって「良好」か「不良」かを判定されるようになっており、「不良」判定となると追加補習を受ける必要があります。
みきわめは加点方式ではなく持ち点100からミスのごとに点数が減る減点方式で行われ、よほど大きなミスをやらかさない限り1~2回ほどの小さなミスや見落としでは即座に不合格になるわけではありません。
一つのミスで焦ってしまい何度もミスを繰り返してしまう方がどんどん減点が重なり「不良」判定になってしまう可能性が高いので、運転中もしミスをしたとしても焦らず冷静に対処しましょう。
【入校7日目】仮免許試験

入校から7日目には、仮免許試験があります。
入校して1週間ほどで試験と聞くと緊張してしまうかもしれませんが、仮免許試験の合格率は75~80%と言われており、普段の教習の復習なのでそれほど難易度は高くありません。
仮免許試験には、学科試験と修了検定(技能検定)があります。
学科試験は効果測定と同じような〇×形式のテストが50問出題され、制限時間は30分、100点中90点以上が合格ラインです。
修了検定は、指定された教習所内のコースを走り運転技術をチェックする試験です。
みきわめの時と同じように持ち点100からの減点方式で、試験終了時点で70点以上あれば合格になります。

技能検定では減点方式となっているため、小さなミスでは即不合格にはならないので、一度ミスしてもまずは慌てず落ち着いて立て直しましょう!
ただし、軽微なミスを何度も繰り返していると不合格になってしまう可能性もありますよ。
一発で不合格となるような接触や一時不停止は、その時点で出発地点に戻されることがあります。
【入校8日目~13日目】第二段階


仮免許を無事取得したら、第二段階が始まります。
第二段階では、以下の時間数を13日目までに習得していきます。
- 学科教習 16時限
- 技能教習 19時限(MT車も同様)



第二段階からは技能教習の1日に受けられる時間数の上限も3時限に増え、ついに路上教習も始まりますよ。
公道では教習所内のコースとは違って歩行者や自転車などもいるので、第一段階以上に安全確認を行い十分注意して臨みましょう。
また、路上に慣れるまでは低速になりすぎて周囲に迷惑をかけてしまいますし、慣れてくると速度が上がりやすく安全確認がおろそかになるので、標識と速度をしっかりと守る事も大切です。
第二段階からは、グループで行う高速教習・セット教習・応急救護という教習もあります。
高速教習
仮免許を取得した第二段階では、一般道だけでなく高速道路の教習もあります。
高速道路の走行は、一般道に比べて経験や技術が必要なことから、第二段階の中でも後半に予定されている事が多いですね。
高速教習は複数の教習生と1台の車に乗り合わせて受講するのが一般的です。
高速の入り口から入場、本線へ合流して指定の区間を走行します。
一区間を走り終えたらインターチェンジを降り、乗り合わせた教習生と運転を交代して、また高速を通って帰るという流れになります。
セット教習
セット教習とは「危険予測教習」とも呼ばれ、技能1時限と学科1時限のセットで受ける教習です。
教官+教習生最大3人のグループで行うもので、教習生同士で交代しながらお互いの運転の良し悪しを比較したり意見交換しながら、危険な場面に対する着眼点を養ったり対処方法について学ぼうという趣旨ですね。
流れとしては、以下の通り。
- まず最初の1時限は技能教習で、住宅地や狭い道路などの危険が多い道を、教習生同士で10分~15分ずつ交代しながら運転していきます。
- 運転手は自分なりに工夫して、どのような危険予測を立てて走行するか?を考えながら運転していきます。
- 後部座席の教習生は、運転する教習生の運転の中で
・自分の運転と比較して良いところや注意すべきところはどこか?
・危険な場面や運転中のひやっとした場面はなかったか?
・自分が運転する場合、危険な場面でどのような対処をするか?
などを観察して考えをまとめます。 - 次の学科教習1時限で、先ほどの路上運転をもとにお互いの運転で良いと思った所や危険な場面、改善に向けて自分ならどうするか?などのディスカッションをする
上記がセット教習の一連の流れです。
セット教習では、他の教習生の運転を体験する事で自分だけの運転では感じなかった気付きがあったり、客観的な意見をもらうことで自分でも気づかなたっかクセや注意点が分かるので、次からの運転に活かせるなどのメリットがありますよ。
応急救護
3時限を使って行われるのが「応急救護」です。
1時限目は教本を使っての座学、2時限目からはビデオを見て、その後心臓マッサージなどの実技という流れで行います。
心臓マッサージの仕方や人工呼吸などについては、中学校や高校で心肺蘇生法の授業を受けた人もいるかもしれませんね。
実技ではペアや3人1組などのグループを組んで、心肺蘇生用の人形を相手に心臓マッサージや人工呼吸、AEDの練習を行います。
床に人形を寝かせて心臓マッサージを行うので、女性はできるだけ胸元が開いた服は避けて、動きやすい服装が良いでしょう。
効果測定
第一段階の時と同様に、第二段階の学科教習が終わると効果測定が行われます。
卒業検定前の効果測定では、制限時間50分で〇×形式の問題が90問+イラスト問題5問の95問が出題され、100点満点中90点以上で合格となります。



過去問をやり込むことはもちろんですが、卒検前の効果測定では〇×問題よりもイラスト問題の方が配点が多い(1問につき5点)ので、できるだけイラスト問題は間違えないようにするのもコツですよ。
みきわめ
第二段階の技能教習の最後には、第一段階と同じくみきわめがあります。
第二段階のみきわめは路上なので、歩行者や自転車、他の車など第一段階の時以上に安全確認が重要です。
また普段の教習で何度も通った道といっても、緊張のあまり標識を見落としたり、慣れた道でついつい速度が出すぎてしまう事もあるので、スピードメーターのチェックも忘れないようにしましょう。
【入校14日目】卒業検定


順調に進むと、最短日数である14日目には合宿免許の集大成となる卒業検定が行われます。
卒業検定では技能試験のみとなっていて、路上コースと教習所内の練習コース両方で課題を行い、公道を走るための技能習得に問題がないかが試されます。
みきわめや修了検定と同様、100点の持ち点から減点される減点方式で70点以上残っていれば合格となります。
合格率は80~90%と言われており、教習所で学んだことを落ち着いてこなせば、ほとんどの人は合格できるようになっているとも言えますね。
【入校14日目】卒業


無事に卒業検定に合格すれば、晴れて合宿免許全行程が終了します。
卒業後の流れの説明を聞いたり、卒業時に交付される卒業証明書や、往復の交通費の支給を終えたら帰宅という流れになります。
せっかく習ったことを忘れないうちに、早めに運転免許センターで学科試験を受けましょう。
1日中教習の予定が入る?合宿免許での時間割のモデルケース


合宿免許は最短日数であれば、前項の通り14日ほどで卒業できます。
となると1日のスケジュールは教習がぎっしりと詰め込まれているのでは?と心配になる人もいるかもしれませんが、そこまで過密スケジュールではないので安心してくださいね。
合宿免許の14日間のモデルケースは以下のような感じになります。


1日1日を見るとそれほど教習スケジュールがぎっちり詰まっているわけではない事が分かりますね。
さらに学科教習がオンデマンドであれば、ある程度自分の裁量で進められるので空き時間を増やす事も出来ます。
教習所によっては週に1日は休校日を設けている所もあるので、自分が希望する教習所の最短日数をしっかり確認しておきましょう。
合宿免許を最短で卒業する割合は?


合宿免許で気になるのは、「最短日数で卒業できる割合(確率)はどのくらいだろう?」という事ではないでしょうか?
最短日数以上に延泊になってしまうと、教習代や宿泊費など予定外の大きな出費になってしまいますよね。
合宿免許を最短で卒業する割合は、きっちりと統計を取ったデータはありませんが、ATで80%前後、MTなら70%~80%ほどと言われています。
ほとんどの人がストレートで卒業できていますが、約2割ほどの人は延泊をしているという事になりますね。
延泊が不安な人は、合宿免許期間+2~3日程度は予定を空けておく方が安心でしょう。
合宿免許を最短で卒業するためのコツはある?


合宿免許を最短で卒業するコツは、地道な自習と反復練習、そして自分の体調管理や時間管理の徹底です。
合宿免許を延泊してしまう理由は、
- 各試験で不合格
- 技能教習での補習
- 体調不良や遅刻などでの欠席
があります。
各試験対策や補習対策となるのは地道な自習と反復練習に尽きます。運転ではイメージトレーニングなども有効ですね。
合宿免許では不慣れな土地や環境へのストレスもあり、体調を崩してしまう事もありますが、自分でしっかりと体調を管理し不調を感じる場合は早めに薬を飲んだり、早めに身体を休めるなどの対処をしていく事が重要です。
また、親元を離れて開放的な気分になり、遅刻や寝坊をしてしまわないように、スマホのアラームなどを活用してうっかりミスを起こさないように気を付けましょう。

